このように多くの皆さまの前でお話できる機会をいただけたことを本当に感謝しております。
戴いたお題が「図書館がひらく宇宙のとびら」ということで、先ず、はやぶさ君の冒険日誌に至るまで、私がいかに本にまみれた子供時代を送っていたかというところから始めさせていただきたいと思います。
ものごころがつくかつかないかの頃から、本の虫でした。自分がなぜ本が好きになったか、そのきっかけが自分では分からず、母に聞いてみたところ、小さい私を膝の上にのせて、「さぁ〜楽しいことしましょうね」と言って、絵本を読み聞かせてくれた。それがどうも私と本との出会いだったようです。
そのまま私は本の道にずるずるとはまり込んでいき、本を読むこと自体が楽しくなっていきました。
小学校に入学する頃には、先生が話しているのに、配られた本を先に読んでしまっているような子どもだったそうです。
父の転勤とともに、いろんな所に住みましたが、たまたま小学校2年生の時に住んでいたところに移動図書館がありました。
家に置ける本って、数が知れていますよね。私はめちゃくちゃ多読で乱読だったので、そのたびに親に本を買ってと頼むのは恐縮だったので、図書館の中で好き放題読みました。その中で、気に入って厳選した本だけを買ってもらうという生活になりました。
この、興味のおもむくままに本を読むという生活は大人になるまで続いております。
本の中には知識があります。何とかしたいなぁと思ったとき、例えば、あん肝買っちゃった。これどう料理したら美味しいんだろ、というときにも料理法の本を探すことができますし、旬の山芋が手に入った時も探すことができます。
それだけではなく、物語への欲求もすごくて、ファンタジーの世界にも心を躍らせ、普通の夢物語のような世界からアイザック・アシモフのSF、星新一のショートショートの世界にもはまっていきました。
小学校・中学校の頃の図書館は大きくなく、高校に入った時、浜大津の図書館が通学経路にあったので、図書館に入り浸ることになりました。読み漁っていた中にあったスターウォーズにはまり、元々はどういう内容だったんだろうと探していたら、図書館に英語の本があって、後には買うことになったものの、半年ほどは図書館から借りて読みました。
図書館がもたらしたもの、そしてその先は、ということなのですが、高校生時代までの間は本に学ばせていただく、本を楽しむだけの目的だったのですが、大学に入り、研究者になってからは、小さな本の一部として(研究業績などを)書いて出させていただくという活動に携わるようになりました。
せっかくですから、研究者としての私が一体何をしていたのかを、自己紹介を兼ねて話させていただきます。