最近、「キレる老人」と言う言葉を以前に増して聞くことが多くなった。残念ながら街中(まちなか)でこれらの人を目にすることもある。専門家はその原因をいろいろ説明してくれる。
しかし、私は病気に起因するものを除いては、それぞれの人の心の持ち方の問題だろう、と単純に思い、自らはこのような「キレる老人」にならないようにと身を処している(つもりである。)
還暦が近くなった頃に書店で手に取り迷わず買った本が曽野綾子さんの「完本戒老録」(祥伝社)だった。この本は現在89歳の曽野さんが65歳を迎えるころに刊行されたもので、その副題は「自らの救いのために」である。
曽野さんのエッセイや評論は宗教的思惟を秘め、思いやりがありつつ視点がきっちりと定まっており、それに加えて切れ味がよく、私はそれまでにもかなりの冊数を購入していた。
この本は三回目の改訂版であるが、どこから読んでも智恵が与えられ、考えさせられる箴言が、3つに分類して合計121並んでいる。例えば、