最近の私が撮る写真はすべてデジタル・カメラによるカラー写真である。家庭の記念写真は言うまでもなく、仲間との写真展や写真集の為の写真も同じである。多くの方々がいろんな場面で撮られる写真も同様だろう。
かつて多くの人たちが撮っていたモノクローム・フィルムによる写真は遠い昔の話になったようだ。
しかし、写真部OBの懇親会に同席していた孫のような後輩の大学写真部現役部員に聞いたところでは、入部してしばらくの間は、技術と理論の習得のためモノクローム・フィルムの使用が義務(?)となっているという。そして最近のモノクローム・フィルムの市場はかつての状態から大きく変化しているとともにフィルム自体の価格も随分と高くなったということをも教えてくれた。どうも絶滅の危機にあるらしい。
何をするということもないのんびりとした午後に私が眺めるのは、フィルムカメラで撮られた「古き良き時代」の日本の田舎や山里を収めたモノクローム風景写真集である。訪れたこともない土地が殆どだが、なにかしら懐かしさを感じる。
海辺に立つ「はんこたんな」を顔に巻いた山形県温海(現在は鶴岡市)の女性の写真が表紙を飾っている「ふるさと 園部澄写真集」(園部澄、山と渓谷社)には、どの頁をとっても、郷愁を誘うような写真が溢れている。
この写真集は私が最初に買った写真集でもある。
津軽の漁港、漁網を繕う漁師、竜飛岬など津軽の写真からスタートし、山形県田麦俣を経て安曇野さらには竹ノ内街道、柳河ときて最後は開聞となり開聞岳と畑のシルエットの写真で終わる。これらの場所で撮られた写真を見るたびにフィルムカメラで撮られたモノクロームの写真の良さが心に沁みる。
写真集の最後に「私の写真作法」という文章があり、そこで写真家は