琵琶湖岸の“なぎさ公園”内に新しい図書館を作ります。今までの浜大津の図書館は移動図書館センターとして残します。
なぎさ公園から1キロ2キロ以内に浜大津・菱屋町・丸屋町・京町など商業施設があります。反対側には、生涯学習センター・科学館・膳所公園など文化施設があり、小学校・中学校・高校もこの圏内に6校をかかえる文化ゾーンでもあります。
四季折々、日々刻々と変化する琵琶湖の水の色、空の色、風の音の感じられる場所にセンダンや欅・サイカチの大きな木の木陰に『におのうみ図書館』を作ります。
まず、建物は北側の琵琶湖側はおおきなガラスの広い窓・西側と東側にはウッドデッキを備えます。東側が喫茶コーナー・西側は児童室の延長で、ここは本を読んだりお話を聞いたりできる場所にします。南側は一面大きな流れ式屋根で、全面にソーラーパネルを設置。雨水を利用して、トイレ・散水にあてます。
なるべく地元の木材を使い、木の香りのする居心地のよい図書館にします。
1階は、こどもの図書館・雑誌・新聞コーナー・一般・PC・ネットコーナー・喫茶コーナーを設置、哺乳室、対面読書室
2階に、一般資料室・レファレンス室・研修室・集会室・事務室
3階は、視聴覚ホール・点字図書館・研修室、ボランティア交流スペース・など
地下に書庫(開架書庫ができればなおいい)・駐車場
こどもの図書館には、こどもコーナーのカウンター・手洗い・トイレ・隠れ家コーナー・おはなしの部屋・あかちゃん用畳コーナー・ロングセラーの本のコーナー・こども本の研究書・雑誌コーナー・昔話・絵本・児童書などを置きます。
この他にも
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館長はじめ職員は、専門職採用で司書資格者をあてる。
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すべての小学校・中学校・高校に学校図書館司書をおき、中央館で研修・連携を図る。
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市民向け図書館の連続講座開催。
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新刊本は、職員全体で検討、地域の書店から購入。ベストセラーは全館合わせて20冊まで。
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図書費は、市の一般会計の1パーセントを確保する。
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小学校区全部に図書館端末とブックポストを設置(市民センターを活用)。
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シルバー人材センターと連携して、高齢者・病気で家を出にくい人・妊婦さんなどのための宅配サービスをする。
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現在の4館の他、10年計画で分館を10館まで増やす。
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というようなことを実現目指して頑張りたいと考えております。どうかよろしくお願いいたします。
(乾京子)
におのうみ図書館
これは、
2016年、東京子ども図書館での講座の宿題で考えたものです。
課題は、「市長が新しい図書館を作ろうとしています。『あたらしい図書館』構想を公募しています。予算とか場所とか気にしないで、いくらでも出すと市長はいっています。そこであなたの図書館像をアピールしてください」というものでした。
この後、守山市立図書館も新しくなり、その通称が『こもれびの図書館』ということで、残念!!先を越されたぁと思ってしまいました。
2022年で、通称は『におの湖(うみ)図書館』と変更しました。
*新館長は、新しい図書館の構想段階から参画。準備室か
ら10年間は就労していただきたいです。専門職としての働きを期待します。
市民図書館
今日はわたしが大好きな図書館をご案内いたしましょう。
小川が流れ、木々に囲まれ、大きな樹の下にはベンチがいくつか置かれています。季節の花が咲き、秋にはいろんな実がなります。図書館にやってきた私たちだけでなく鳥や昆虫たちにとっても居心地のいい場所です。
時には絵本の読み聞かせやお話会があって近くのベンチに座っているわたしも時折小さな人たちの仲間入り。ワクワクしながら耳を傾けます。
草花や樹や鳥、昆虫たちに興味を持った人はすぐに図書館で調べます。司書さんがしっかり寄り添ってくれますから、そこから滋賀の里山や棚田、琵琶湖の自然へと興味は広がり、中には滋賀の産業へと関心の翼を広げる人もいるでしょう。
木や花の手入れは図書館を利用する人たち、地域の人たちが手伝います。図書館の一角ではボランティアが本の修理をしています。わたしも時間のある時は参加します。司書さんやベテランのボランティアさんに教えてもらいながら、この本を手にした人たち、次にこの本を手にする人たちに思いをはせながら。そんな時、私も誰かの役に立っているんだなと気持ちが少しほっこりします。そんな光景をいつも見ている子供たちは本を大切に扱います。
そこに来る人、そこで働いている人みんな笑顔です。
今日は時間の関係で館内のご案内があまりできませんでした。是非次の機会をいただきたいと思います。ありがとうございました。
(きたむら)
私の望む図書館
図書館は学びたいことを学び、知りたいことを知る。そして、自分で考え、どう生きるかを自分で決める。これは文化的な近代社会の基本です。このことを実現するために図書館はあるのです。
市民と協働で図書館をつくることは、一人ひとりの幸せにつながる図書館づくりだと思います。
そのためには、まずは人が重要になります。どんな環境の中にあっても自分らしく生きていくことができる人に寄り添い手助けをする人材が図書館には不可欠です。
図書館の館長並びに職員は司書の有資格者であることを前提に様々なサービスについて研修や自己研鑽に努め、質を高め。利用者の要求に対応することが図書館員の任務です。
公共図書館は、@貸出しをしA児童サービスを行いBあらゆる人々に図書を貸出し、図書館を市民の身近に置くために全域へのサービス網をはりめぐらすことを市民へのサービスとしています。
その中でも児童サービスは重要です。こどもの将来に大きなかかわりをもたらします。こどもの読書は喜びを与えるものであり、その喜びは子どものこころの成長におおきくかかわり、やがて人間形成に影響を及ぼします。すべての子どもが適切な時期に適切な本を楽しみ出会うような環境づくりが図書館には求められます。
さて、施設についてですが、最近では様々なデザイン性のある建物や趣向を凝らしたインテリアなど、まるでアートでモダンな図書館が見られます。空間づくりや人と人が交流し合うように工夫されています。
もし、新しい図書館が大津市に建設されるなら、私が望むことは、まず第一に市民が図書館へアクセスしやすい場所に図書館を設置して欲しいことです。できれば、駅から徒歩で10分以内のところに図書館があり、その敷地内に大きな駐車場と周りには緑の木々があり、琵琶湖が見える大津ならではの風景の中にあり、風と緑が感じられる図書館であればいいなと思います。
そして、館内スペースは図書館利用者の障害を取り除き、誰でもが安心して利用できるような書架間のスペースと全体に空間があり、疲れた時はちょっと腰を下ろしゆっくりと本が読めるそんな場所があればいいと思います。
また、ボランティアが自由に活動できる会議室や子どもに読書の楽しみを共有できる「おはなしの部屋」を是非作ってください。
最後に、現在の図書館はすでに狭隘化し、これ以上の資料を収納するのは書架から沢山の本を間引きし、書庫入れしなければなりません。またどの館の書庫も満杯です。市内に公共施設で余裕のある場所に共同書庫を作りオンラインで貴重な資料の管理と書庫の開架利用も今後の資料提供に考えていただきたいです。
(大村ちず子)
こんな図書館あったらいいな。市民の願い
一市民として、こんな図書館があったらいいなと思うことは、
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大津市の資料は基より、人が豊かに生きるための知恵や工夫(図書館資料・情報)を、時間や地域を越えて集め、整理し、保存して、これを必要と求める時に、市民の誰もが当たり前に、気軽に利用できる図書館。
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市民やまちの成長と共に、資料や、職員の専門的な知識・技術が、拡がり、深まるしくみのある図書館。
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人が好きで、本が好きで、人と本を結びつけることに意欲的に奉仕できる、人と本に謙虚な職員のいる図書館。
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主体である市民が目立ち、何時もイキイキと集い活動している図書館。何時も子どもたちの笑顔がいっぱいの図書館。
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行きたくなる図書館がいいな
自分の居場所があって、声をかければ専門の知識を持つ司書が応えてくれる。
いつでも行きたい時に行ける場所にあって、老いても幼くても障害があっても行ける手段がととのっている図書館がいいな。
人生90年を越えました。私の毎日に図書館がありました。電車で隣町まで行きました。駅から歩いて行けるところだったから助かりました。一人で行けなくなってからは、一緒に行く人が誘ってくれました。
いつも司書さんはにこやかでした。私の質問にたくさん応えてくださり、たくさん本を紹介してくださいました。私は常連だったから、好みも分かってくださっていたのかしら?と思います。たくさんの利用者にあたたかく接することは大変なことです。新しく入ってくださった司書さんたちにこの図書館の良さを伝えて欲しいと願います。
本、ありがとう。豊かな人生の友でした。
大津市 夢の図書館・理想の図書館
日本全国にある図書館、行きたい図書館はどんなのだろうかと思っていると、知人の図書館見学記録が届いた。驚きの図書館で、「きっとここには夢や理想がいっぱいなんだ」と思った。了解にて引用。一部編集。
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森の中の図書館〜梼原町立図書館を訪れて
高知県の山奥にある梼原(ゆすはら)町を訪れ、日本の図書館の中でも最高峰と言える梼原町立図書館に行きました。
外観は、小学校があった跡地に建てた鉄骨の木造建築です。前の芝生は絶好の遊び場。図書館のカウンターでバドミントンやキャッチボールなどの遊具を貸し出してくれます。借りるのは本だけではない。読書のあとは体を動かそうという発想です。敷地の面積
は3087平方メートルあります。
中に一歩入ったとたん、感動します。天井から下がるのはこの町の山に植えた杉材です。地産地消。ヒノキの床に座って本を読み、上を見上げると杉の木材がまるで木立のよう。本当に森の中で読書しているような気持ちになります。吹き抜けで広々とした館内は、見渡す限り木材とおびただしい本です。蔵書は6万冊。木造2階建てで体育館のように広い奥行きです。
ピアノも置いてあります。入口を入ってすぐ、この階段状の一角はコンサートや講演会の会場にもなります。
小さな子どもが走り回っています。1階は騒いでもいいのです。なにせ「交流の場」というコンセプトですから。がやがやと話すスペースもあります。もちろん絵本をふんだんに置いた読み聞かせコーナーも。オープンな図書館を目指し、町内外の人々が出会う場所、出会いと交流の場にしたのです。
2階にあるいくつかの部屋。その一つ「創造のかたち〜美術の目、芸術の技」の部屋。そこらの図書館では見られない充実した蔵書に目を見張ります。独立した部屋のように見えますが、そのまま突き抜けて右隣の歴史の部屋や左隣の未来の部屋へ行くことができます。
また、2階は静かに読書し自習する場です。ここには「未来の思い〜我々はどこに向かうのか」という環境コーナー、「創造のかたち」という芸術書コーナー、「歴史のながれ」という歴史書コーナー、「自然のすがた」という自然科学書コーナーも。屋根裏部屋にはホカホカのソファがあって、周囲には豪華な美術本が並びます。その気になれば寝そべって読むことも可能です。
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ここまで読んで、「一体どうしてこんなに素晴らしい図書館ができたの? よほど豊かな町なんだろうか」と思った。梼原(ゆすはら)町は自然エネルギーでも有名な所。そしたら、次のように書かれていた。何と町民が大きく関わっていたと。これも理想の図書館づくりだ。
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コンセプトを決めたのは町民でした。子どもも含めて町の人からアイデアを募り、「森の中の図書館」「ワクワクする図書館」を目指したのです。
2018年5月26日オープンし、総工費は12億9千万円です。当時の町の年間予算は61億8千万円でした。年間予算の5分の1を図書館に割いたのです。「どうせ作るのなら本当にいいものにしよう」「どこにでもあるのなら作らないほうがいい」という発想でした。以前から文化に力を入れていたのではありません。前はワンルームの図書室のみで、読書文化がなかったと言います。
館内には障がい者が作ったケーキやクッキーを出すカフェもあります。子育て相談室も。町全体で0歳から18歳まで、子どもを大事に育てる方針です。妊娠中のお母さんのケアをするため、保育士が普段から詰めています。
人
口3000人余りの小さな町でも、これだけのことができるのです。他の町にないのは、こうしたものを作ろうとしない、最初からあきらめているからです。
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見学記録を楽しんで読んだ。書かれていた最後の言葉。「この町にあって、他の町にないのは、こうしたものを作ろうとしない、最初からあきらめているからです。」この言葉が胸を刺してくる。
「どうせできないのだから」「お金がないからできないわ」と最初からあきらめてはいけないとつくづくと思い、勇気を貰った図書館報告だった。大津市もこうありたい。
(図書館を考える大津市民の会・会員)