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佐藤大津市長との面談(2022年8月23日)のご報告
 8月に大津市長宛に「大津市立図書館の整備に向けた要望書」を提出しました。別紙として「大津市民にとって望ましい図書館像(資料1)」も付記しました 。
 そして市長との面談を求め、8月23日に市長応接室で佐藤大津市長との面談が実現しました。人数を少なくとのことで、市民の会から代表の野口と運営委員の乾、上原、大村の計4名が参加しました。図書館サイドの出席者は居ませんでした。時間は30分と聞いていましたが、結果的には1時間近くになりました。面談は許可を得て大村さんが録音しました。
 最初に野口から「要望書(資料2)」の趣旨について10分間にまとめて説明しました。次に乾さんが各地の図書館を見学した経験を踏まえて、市民にとって望ましい図書館の在り方(資料3)を述べました。また市民の会が作成した文集「夢の図書館・理想の図書館」の冊子(資料4)を手渡しました。
 その後、市長が要望事項に関連して話され、その後、市民側との質疑応答が行われました。話の流れは要望事項の順番通りではありませんでしたが、ここでは要望事項に沿って要約して報告します。
要望事項(1)図書館の増設、アクセス改善、返却ポスト設置
南北45kの大津市にはもっと図書館があったら良いと思うが、まず老朽化した市立図書館を使い勝手の良い、多くの人が集える場所にしたい。
県議の時、行財政改革(経費削減)の一環で来館者にアンケートをとったら、意外にも、開館時間よりも資料の充実を求める声が強かったので、休館日が週2日になった。
県立図書館の来館者は草津市民よりも大津市民が大半を占めていた。県立図書館でカバーしているから良いと言うのではなく、市立図書館をもっと生かさないといけない。
注: 大津市立図書館の貸出冊数は年149.6万冊。県立図書館は年71.4万冊(市町立図書館協力貸出3.3万冊を含む)。
注: 県立図書館から借りた資料は市立図書館経由で返却できるが、大津と草津だけはできない。その理由を県立図書館に聞いたところ、現在の週一便の配送車ではカバーしきれないためとのこと。
コロナ禍でも図書館は開けておかねばならないと思ったが、教育委員会と協議して、一時休館とした。
移動図書館のさざなみ号は市民の寄付もあってリニューアルした。ミッケル号は今年度に更新予定だったが、半導体不足で納車が遅れる見込みのため、来年度に回した。
移動図書館をもっと活用したい。なぎさ公園のイベントに参加するなど。
ブックポストは市民センターが良いか、駅が良いかアンケートしたら、駅の方が良いという意見が多かった。そこであるJR駅に設置する方向で計画中。
図書館増設に代わる無人で本を置いてくれるような市民アクセスの改善も大事。個人的には、それらが町の中のサロンになるとか、公的なものだけでなく、本を介して地域に集える場所があるといい。
要望事項(2)資料費の充実

就任以来、資料費は毎年増やしている。
注: 2020年度は前年比4.4%増、2021年度は同2.7%増だが、抜本的改善とはほど遠い。
コロナ対策で何かサービスすべきこととして若手職員に議論してもらったら最上位が電子図書の導入だった。家から出ないで利用できるメリットがある。オーディオブックもそうだ。
デジタルデバイドは大きな問題で、市民センターでボランティアがサポートしたり、携帯電話販売店が高齢者講習したり、自治会で勉強したりするのに予算をつけて、デジタルデバイド解消に取り組んでいる。
市立図書館の書庫がいっぱいで、どうやって蔵書を整理するか、あるいはどこに書庫拡張するか、苦慮している。
図書館の本は書店組合から購入しており、地産地消だ。
注: 実際には書店組合経由で発注してTRCから直接納入される。
要望事項(3)館長に専門職を
現在、正職員と会計年度任用職員(注:2020年度から非正規職員がこうなった)合わせて7割が司書資格をもっている。だが資格が全てではない。現館長は次長級の女性館長で意欲がある。歴史博物館長も専門家が得られるとは限らない。外部から呼ぶというのもあるし、これから本当にみんなの力で新しい図書館をつくっていくのだというならそこには中心となる人には来ていただかないといけない。ただ箱を作っただけではいけないと、そこは心がけたいと思っている。
(上原) 司書が7割でも会計年度任用職員ばかりでは、図書館の未来を考えたり、他の部局との連携を進められない。
(市長) 皆コミュニケーションをとりながら頑張っている。
要望事項(4)子どもの読書習慣、障がい者利用への配慮
要望事項(5)図書館直営を堅持、首長部局移管反対
市議の時、北九州市の指定管理の図書館を訪問した。指定管理者は起業支援に重きをおいていた。指定管理は3〜5年で交代する。その都度、図書館のテーマが変わるのは弊害が出てくる。その点は皆さんと共有している。
図書館を市長部局に移管しない。これは政治的中立性と言うよりも、教育との連携を重視しているから。
要望事項(6)図書館整備に市民の声を
要望事項(7)図書館整備準備段階から司書専門職の参加を
その他
県立琵琶湖文化会館を浜大津に誘致する。令和9年完成予定。周辺の文化施設と相乗効果を上げるため、浜大津周辺エリアでアンケートを行った。意見は、アメニティの充実と駐車場を増やすの2つに収斂された。
市役所庁舎整備でもアンケートを取っている。トイレや駐車場の改善希望が多く、他の公共施設と複合化する案はあまり支持が集まらなかった。
市役所の立地は唐崎前国有地、皇子が丘公園、県庁周辺の候補地のうち、多目的グランドが良いという意見が多い。そこなら文化施設やスポーツ施設もあった方が良い。
図書館整備への市民からの要求が少ない。
(大村) 大津は本屋が少ない。
(市長) 直木賞の今村翔吾さんが街の本屋さんの復活活動をしている。本屋さんは本当に大事。
あとがき
 佐藤市長は市長選の時の市民の会の公開質問状に正面から回答され、図書館に関して見識をお持ちの方と思っていましたが、面談でも図書館のビジョンを持っていると感じました。ただ図書館に対する市民からの声が少ないと言われ、考えさせられました。図書館の充実をもっと大きな市民の声にしていかなければ、と思いました。(文責:野口宏)
[資料1]大津市民にとって望ましい図書館像
1.すべての市民が使いやすい図書館
子どもが利用しやすく、読書習慣を育てる環境
障がい者が図書資料を円滑に利用できるバリアフリー環境
アクセスしやすい分館、移動図書館、ブックポストの配置
2.住民の知る権利を保障する図書館
図書資料(書籍、事典、図鑑、児童図書、郷土資料、新聞雑誌)の充実
視聴覚資料、電子書籍、データベースと閲覧手段の整備
円滑な相互貸出を可能にする図書館ネットワークの強化
3.地域の知の拠点(知的インフラ)の役割を果たす図書館
レファレンスサービスの充実
インターネット環境の充実
情報へのアクセス方法を含む情報リテラシー教育
4.古都指定された歴史文化都市にふさわしい品格ある図書館
郷土の歴史文化遺産を重視する図書館
異文化理解を促進する図書館
市民の創作や研究や文化活動を支える図書館
5.市民にやすらぎをもたらす図書館
防災拠点として役立つ図書館
災害被災者にやすらぎを与える図書館
困難を抱えた市民等の落ち着いた居場所
6.市民が運営に参加できる図書館
表現の自由とプライバシーを守る図書館
出版文化、著作者の権利を尊重する図書館
民主主義の土台となる図書館
[資料2]大津市立図書館の整備に向けた要望書
大津市長 佐藤健司様
2022年7月
図書館を考える大津市民の会
共同代表 野口宏
事務局長 林知子
大津市立図書館の整備に向けた要望書
 佐藤市長には市長選において市立図書館の再整備を掲げられ、私どもの公開質問書にも前向きにお答えをいただきました。就任以来、市庁舎閉鎖や図書館休館を含む新型コロナ対策に奔走されてこられたことに敬意を表します。また公約の図書館の再整備においても、市民の声を聞く姿勢をお持ちと伺っております。
 本会は2015年に市立図書館の指定管理制度導入の動きに危機感を持った市民が集まって設立され、今日まで、市民にとって有用な図書館を目指して活動してきました。
 このたび利用者の立場から、市立図書館の再整備にあたり、必ず考慮していただきたい点を7項目の要望にまとめましたので、前向きにご検討いただきますよう、要望致します。あわせて別紙にて私どもの希望する図書館の全体像を記載させていただきました。
…… 記 ……
1.
 現状の3館、1分館、移動図書館を含め、市民の図書館へのアクセスを抜本的に改善すること。返却ポストを適切に配置すること。
 大津市は南北に細長く、山間部もあり、図書館サービスを行き渡らせるのは工夫が要ります。現状の分館、移動図書館だけでは不十分であり、増置が必要です。また他市で行われているような公共施設における返却ポストの設置も急がれます。
2.
 市民1人あたりの資料費が県平均の割に留まるという県下最低レベルの悲惨な現状を抜本的に改善すること。
 大津市は県都であり、古都指定都市です。大津市立図書館は市民の要求に応えるとともに、県都にして歴史文化都市に相応しく、他市町の模範となるような充実した図書館であってほしいと願っております。
3.
 本館、分館の館長に専門職(司書)を任用し、長期的な視野で図書館充実に取り組める体制とすること。
 社会教育施設である図書館の充実を図るには、図書館に経験と誇りを持つ専門職の館長が不可欠です。県下の他の市町の図書館長は専門職の司書から選任されています。大津市も毎年のように代わる非専門職の館長ではなく、他市並みに専門職館長を任命して下さい。
4.
 子どもの読書習慣の育成と障がい者の図書利用の円滑化に特別に配慮すること。
 図書館の利用者のうちでも子どもと障がい者はとりわけ公共図書館を必要としています。子ども向けサービス、障がい者向けサービスを充実させ、担当司書を配置するなど、十分な配慮が必要です。
5.
 図書館の直営を堅持し、教育委員会の所管を継続すること。
 地域の知の拠点である図書館は地域の生活にとって欠かせない文化施設です。効率優先の指定管理者制度を採ることなく、引き続き市の直営を維持して下さい。また個人情報保護、政治的中立の観点から図書館の首長部局への移管はしないで下さい。
6.
 広く市民の意見、要望を受け止めて整備を進めること。
 市民が自ら考え、自ら判断しようとすれば図書館が頼りです。図書館は民主主義の「とりで」とされています。図書館の整備にあたっては、利用者である市民の声をよく聞き、市民とともに推進するよう求めるものです。
7.
 以上について、準備段階から司書資格を持つ専門家を交えて検討を進めること。
 図書館は文化施設、社会教育施設であり、系統的な運営が重要です。図書館の整備にあたっては、経験に富んだ専門職(司書)が当初から参加し、その知見を生かすことが不可欠です。
以上
[資料3]市民にとって望ましい図書館の在り方
 まず、このような機会をいただけたことを感謝申し上げます。
 市民の方の希望、会としての要望については野口代表が話してくださいましたので、私からはいろいろな図書館を見学させていただいたり、お話を聞いてきたりした結果、私にとっての夢の図書館についてお話させていただきます。
 私は、自宅で「じゃりんこ文庫」という家庭文庫を開いています。最初はマンションの集会室で文庫を始めたのが1985年、今の浜大津本館が開館して3年たった頃でした。あの頃は、市民も職員の方々も(やっと新しい市民の図書館ができた)と、皆さん生き生きとしていました。館長も元県立図書館にいらした司書資格を有する館長。新しく配属された職員の方も通信教育で司書資格をとり、前向きに取り組んでいらっしゃいました。私も所属する大津市文庫交流会で図書館の方も一緒に絵本の原画展・絵本作家・児童文学作家の方々の講演会なども開いてきました。
 スタートはよかったのに、その後、6館から9館という分館構想が頓挫して、北図書館しかできなかったことが、「滋賀県の図書館はいいけど、大津は・・・」と言われるようになった原因だとおもっています。でも今、職員努力もあると思いますが、浜大津・北館・和邇館、一つ一つの図書館は、県下の図書館に対して、利用者数も貸し出し冊数・予約数など決して見劣りのするものではありません。ただ、南北に広い大津市の割に分館が少なく、資料費が少ないこと、そして、毎年のように館長が変わるということが、大きく数字を下げて、市民にとっていい図書館とは言えない現実になっていると思います。佐藤市長はこの点、県のこともよくご存じなので、せめて3期市長を続けてくださって、しっかりとしたビジョンの元に新しい図書館建設に頑張っていただきたいと期待しています。
 前置きが長くなりました。私は、所属する大津市文庫交流会・滋賀県子ども文庫連絡会などで子どもの本やおとな・こどもなどの情報交換や勉強会をする中で、あちこちの図書館を見学する機会を得られました。県内では、八日市・愛知川・能登川・永源寺・湖東・信楽・多賀・安曇川・彦根・野洲・草津・栗東…ずいぶんいろいろ行かせていただきました。県外でも大津市文庫交流会が文部科学大臣賞をいただいた時や文庫の授賞式などで東京に行ったとき、千葉の浦安・東京こども図書館・日野・調布・国際こども図書館など、兵庫県の明石・西宮・鳥取県立・福岡北九州市・小郡・岐阜市立・愛知県大府・刈谷・・・など、直営や指定管理のところもございました。
 町の中心であったり、駅前、商業地域の中、中心街から少し離れた公園の中とか、その立地も様々でした。調布市では、駅からすぐそばに市庁舎や市民ホール.社協など公共施設が集まっていて、そのビルの4階から6階が図書館というところもありました。岐阜市では15階建てビルの市庁舎の前、別棟で3階建ての図書館がありました。市街地から少し離れた図書館のところは、市の運営する巡回バスがはしっていたところもありました。先日滋賀の東近江市の図書館、永源寺・湖東・能登川を見学した時の報告の資料を後でご覧になってください。湖東図書館は開館30年になりますが、建築賞をとった堂々とした建物で、ここでも町民の大きな信頼と誇りを感じる図書館でした。このようにさまざまな図書館を見学させていただきました。その中で印象に残った図書館があります。それは、東京の日野市の図書館と九州の小郡の図書館です。ふたつともそう大きな図書館というわけではありません。しかし、分館をたくさん持っています。
 日野市立図書館は、駅から歩いて15分くらいのところにあったのですが、そこに行くまでに何度か道を尋ねました。その度に、どの方も、「図書館ですか?」とニコニコして、ご親切にていねいに教えてくださいました。「僕、そこまで案内しますよ」と、最後に尋ねた方は図書館まで案内してくださいました。住宅街の鎮守の森を背景にレンガの図書館がありました。市民の方々にとって、図書館が身近で誇りに思っていらっしゃる様子がひしひしと伝わってきました。
 九州小郡の図書館は、一度指定管理になったものの3年後に直営に戻った図書館です。館長さんが話してくださったのですが、図書館が直営でないとできないことがある。市の他の部署との連携です。たとえば、春の読書週間に「食」というテーマで読書指導をしよう。ならば、「食育」ということで健康福祉課とタイアップ、給食のメニューを考えるとき、絵本の中から、あるいは郷土の食材とかを考えて献立を作ってもらう。本番の給食の時間には、男女共同参画に参加してもらって、教室で市長や教育長、男性の教師などが読み聞かせに、などという企画もできましたと話してくださいました。年に一回か二回、そんなにたびたびできることではないかもしれないけれど、図書館のいろんな可能性もあるというお話だと聞きました。
 こういう図書館見学を重ねながら、やっぱり私にとっての夢の図書館は、市民にとって身近で使いやすくて、誇りに思える図書館です。具体的には、冊子を読んでいただけたらいいのですが、大津市民にとって誇りに思えるものはなんだろうか?と考えた結果、歴史と風土、この琵琶湖と緑豊かな山々、そしてどの時代にもかかわる歴史ある史跡や風土です。そういうものを生かし環境にやさしくて、たくさんの新しい本も含めて資料がいっぱいあって、人と本の大好きな職員がいて、なんにでも答えてもらえる。その結果居心地のいい素敵な図書館になるだろうと考えています。大津市には、すでに専門職採用の歴史博物館があります、その歴博とも連携して資料の残し方も重複しないようお互いの良さを生かしながらいろんな企画もできたらいいなぁとも思います。あと、なによりも外国では当たり前のようですが、図書館は情報の中枢であること。引っ越してきたり、観光で大津にやってきたり、そんなときに図書館に行けば、得たい情報が得られる。ネット難民や高齢者などにもインターネットにアクセスできるように親切な職員がいて、インターネットが使える。そんな図書館があったらいいなぁと思っています。
 冊子には私や「図書館を考える大津市民の会」会員以外にもホームページに寄せてくださった市民の声も入っています。小さな冊子ですがお読みいただければ幸いです。言い忘れや、重複していることもあったかもしれません。以上で簡単ですが、私の「夢の図書館」の話を終わらせていただきます。
[資料4]夢の図書館・理想の図書館
これは、市民から寄せられた図書館への願いです。
こんな図書館があったらいいなぁ。
図書館の今に感謝しつつ、夢や理想を語ります。
(老朽化に伴い新たな図書館を…)
  ということで、私の『こんな図書館あったらいいなぁ』構想です。
 琵琶湖岸の“なぎさ公園”内に新しい図書館を作ります。今までの浜大津の図書館は移動図書館センターとして残します。
 なぎさ公園から1キロ2キロ以内に浜大津・菱屋町・丸屋町・京町など商業施設があります。反対側には、生涯学習センター・科学館・膳所公園など文化施設があり、小学校・中学校・高校もこの圏内に6校をかかえる文化ゾーンでもあります。
 四季折々、日々刻々と変化する琵琶湖の水の色、空の色、風の音の感じられる場所にセンダンや欅・サイカチの大きな木の木陰に『におのうみ図書館』を作ります。
 まず、建物は北側の琵琶湖側はおおきなガラスの広い窓・西側と東側にはウッドデッキを備えます。東側が喫茶コーナー・西側は児童室の延長で、ここは本を読んだりお話を聞いたりできる場所にします。南側は一面大きな流れ式屋根で、全面にソーラーパネルを設置。雨水を利用して、トイレ・散水にあてます。
 なるべく地元の木材を使い、木の香りのする居心地のよい図書館にします。
 1階は、こどもの図書館・雑誌・新聞コーナー・一般・PC・ネットコーナー・喫茶コーナーを設置、哺乳室、対面読書室
 2階に、一般資料室・レファレンス室・研修室・集会室・事務室
 3階は、視聴覚ホール・点字図書館・研修室、ボランティア交流スペース・など
 地下に書庫(開架書庫ができればなおいい)・駐車場
 こどもの図書館には、こどもコーナーのカウンター・手洗い・トイレ・隠れ家コーナー・おはなしの部屋・あかちゃん用畳コーナー・ロングセラーの本のコーナー・こども本の研究書・雑誌コーナー・昔話・絵本・児童書などを置きます。
 この他にも
館長はじめ職員は、専門職採用で司書資格者をあてる。
すべての小学校・中学校・高校に学校図書館司書をおき、中央館で研修・連携を図る。
市民向け図書館の連続講座開催。
新刊本は、職員全体で検討、地域の書店から購入。ベストセラーは全館合わせて20冊まで。
図書費は、市の一般会計の1パーセントを確保する。
小学校区全部に図書館端末とブックポストを設置(市民センターを活用)。
シルバー人材センターと連携して、高齢者・病気で家を出にくい人・妊婦さんなどのための宅配サービスをする。
現在の4館の他、10年計画で分館を10館まで増やす。
 というようなことを実現目指して頑張りたいと考えております。どうかよろしくお願いいたします。
(乾京子)
におのうみ図書館
 これは、2016年、東京子ども図書館での講座の宿題で考えたものです。
 課題は、「市長が新しい図書館を作ろうとしています。『あたらしい図書館』構想を公募しています。予算とか場所とか気にしないで、いくらでも出すと市長はいっています。そこであなたの図書館像をアピールしてください」というものでした。
 この後、守山市立図書館も新しくなり、その通称が『こもれびの図書館』ということで、残念!!先を越されたぁと思ってしまいました。2022年で、通称は『におの湖(うみ)図書館』と変更しました。
 *新館長は、新しい図書館の構想段階から参画。準備室から10年間は就労していただきたいです。専門職としての働きを期待します。
市民図書館
 今日はわたしが大好きな図書館をご案内いたしましょう。
 小川が流れ、木々に囲まれ、大きな樹の下にはベンチがいくつか置かれています。季節の花が咲き、秋にはいろんな実がなります。図書館にやってきた私たちだけでなく鳥や昆虫たちにとっても居心地のいい場所です。
 時には絵本の読み聞かせやお話会があって近くのベンチに座っているわたしも時折小さな人たちの仲間入り。ワクワクしながら耳を傾けます。
 草花や樹や鳥、昆虫たちに興味を持った人はすぐに図書館で調べます。司書さんがしっかり寄り添ってくれますから、そこから滋賀の里山や棚田、琵琶湖の自然へと興味は広がり、中には滋賀の産業へと関心の翼を広げる人もいるでしょう。
 木や花の手入れは図書館を利用する人たち、地域の人たちが手伝います。図書館の一角ではボランティアが本の修理をしています。わたしも時間のある時は参加します。司書さんやベテランのボランティアさんに教えてもらいながら、この本を手にした人たち、次にこの本を手にする人たちに思いをはせながら。そんな時、私も誰かの役に立っているんだなと気持ちが少しほっこりします。そんな光景をいつも見ている子供たちは本を大切に扱います。
 そこに来る人、そこで働いている人みんな笑顔です。
 今日は時間の関係で館内のご案内があまりできませんでした。是非次の機会をいただきたいと思います。ありがとうございました。
(きたむら)
私の望む図書館
 図書館は学びたいことを学び、知りたいことを知る。そして、自分で考え、どう生きるかを自分で決める。これは文化的な近代社会の基本です。このことを実現するために図書館はあるのです。
 市民と協働で図書館をつくることは、一人ひとりの幸せにつながる図書館づくりだと思います。
 そのためには、まずは人が重要になります。どんな環境の中にあっても自分らしく生きていくことができる人に寄り添い手助けをする人材が図書館には不可欠です。
 図書館の館長並びに職員は司書の有資格者であることを前提に様々なサービスについて研修や自己研鑽に努め、質を高め。利用者の要求に対応することが図書館員の任務です。
 公共図書館は、@貸出しをしA児童サービスを行いBあらゆる人々に図書を貸出し、図書館を市民の身近に置くために全域へのサービス網をはりめぐらすことを市民へのサービスとしています。
 その中でも児童サービスは重要です。こどもの将来に大きなかかわりをもたらします。こどもの読書は喜びを与えるものであり、その喜びは子どものこころの成長におおきくかかわり、やがて人間形成に影響を及ぼします。すべての子どもが適切な時期に適切な本を楽しみ出会うような環境づくりが図書館には求められます。
 さて、施設についてですが、最近では様々なデザイン性のある建物や趣向を凝らしたインテリアなど、まるでアートでモダンな図書館が見られます。空間づくりや人と人が交流し合うように工夫されています。
 もし、新しい図書館が大津市に建設されるなら、私が望むことは、まず第一に市民が図書館へアクセスしやすい場所に図書館を設置して欲しいことです。できれば、駅から徒歩で10分以内のところに図書館があり、その敷地内に大きな駐車場と周りには緑の木々があり、琵琶湖が見える大津ならではの風景の中にあり、風と緑が感じられる図書館であればいいなと思います。
 そして、館内スペースは図書館利用者の障害を取り除き、誰でもが安心して利用できるような書架間のスペースと全体に空間があり、疲れた時はちょっと腰を下ろしゆっくりと本が読めるそんな場所があればいいと思います。
 また、ボランティアが自由に活動できる会議室や子どもに読書の楽しみを共有できる「おはなしの部屋」を是非作ってください。
 最後に、現在の図書館はすでに狭隘化し、これ以上の資料を収納するのは書架から沢山の本を間引きし、書庫入れしなければなりません。またどの館の書庫も満杯です。市内に公共施設で余裕のある場所に共同書庫を作りオンラインで貴重な資料の管理と書庫の開架利用も今後の資料提供に考えていただきたいです。
(大村ちず子)
こんな図書館あったらいいな。市民の願い
一市民として、こんな図書館があったらいいなと思うことは、
大津市の資料は基より、人が豊かに生きるための知恵や工夫(図書館資料・情報)を、時間や地域を越えて集め、整理し、保存して、これを必要と求める時に、市民の誰もが当たり前に、気軽に利用できる図書館。
市民やまちの成長と共に、資料や、職員の専門的な知識・技術が、拡がり、深まるしくみのある図書館。
人が好きで、本が好きで、人と本を結びつけることに意欲的に奉仕できる、人と本に謙虚な職員のいる図書館。
主体である市民が目立ち、何時もイキイキと集い活動している図書館。何時も子どもたちの笑顔がいっぱいの図書館。
行きたくなる図書館がいいな
 自分の居場所があって、声をかければ専門の知識を持つ司書が応えてくれる。
 いつでも行きたい時に行ける場所にあって、老いても幼くても障害があっても行ける手段がととのっている図書館がいいな。
(図書館を考える大津市民の会・会員)
 人生90年を越えました。私の毎日に図書館がありました。電車で隣町まで行きました。駅から歩いて行けるところだったから助かりました。一人で行けなくなってからは、一緒に行く人が誘ってくれました。
 いつも司書さんはにこやかでした。私の質問にたくさん応えてくださり、たくさん本を紹介してくださいました。私は常連だったから、好みも分かってくださっていたのかしら?と思います。たくさんの利用者にあたたかく接することは大変なことです。新しく入ってくださった司書さんたちにこの図書館の良さを伝えて欲しいと願います。
 本、ありがとう。豊かな人生の友でした。
(図書館を考える大津市民の会・会員)
大津市 夢の図書館・理想の図書館
 日本全国にある図書館、行きたい図書館はどんなのだろうかと思っていると、知人の図書館見学記録が届いた。驚きの図書館で、「きっとここには夢や理想がいっぱいなんだ」と思った。了解にて引用。一部編集。
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 森の中の図書館〜梼原町立図書館を訪れて
 高知県の山奥にある梼原(ゆすはら)町を訪れ、日本の図書館の中でも最高峰と言える梼原町立図書館に行きました。
 外観は、小学校があった跡地に建てた鉄骨の木造建築です。前の芝生は絶好の遊び場。図書館のカウンターでバドミントンやキャッチボールなどの遊具を貸し出してくれます。借りるのは本だけではない。読書のあとは体を動かそうという発想です。敷地の面積は3087平方メートルあります。
 中に一歩入ったとたん、感動します。天井から下がるのはこの町の山に植えた杉材です。地産地消。ヒノキの床に座って本を読み、上を見上げると杉の木材がまるで木立のよう。本当に森の中で読書しているような気持ちになります。吹き抜けで広々とした館内は、見渡す限り木材とおびただしい本です。蔵書は6万冊。木造2階建てで体育館のように広い奥行きです。
 ピアノも置いてあります。入口を入ってすぐ、この階段状の一角はコンサートや講演会の会場にもなります。
 小さな子どもが走り回っています。1階は騒いでもいいのです。なにせ「交流の場」というコンセプトですから。がやがやと話すスペースもあります。もちろん絵本をふんだんに置いた読み聞かせコーナーも。オープンな図書館を目指し、町内外の人々が出会う場所、出会いと交流の場にしたのです。
 2階にあるいくつかの部屋。その一つ「創造のかたち〜美術の目、芸術の技」の部屋。そこらの図書館では見られない充実した蔵書に目を見張ります。独立した部屋のように見えますが、そのまま突き抜けて右隣の歴史の部屋や左隣の未来の部屋へ行くことができます。
 また、2階は静かに読書し自習する場です。ここには「未来の思い〜我々はどこに向かうのか」という環境コーナー、「創造のかたち」という芸術書コーナー、「歴史のながれ」という歴史書コーナー、「自然のすがた」という自然科学書コーナーも。屋根裏部屋にはホカホカのソファがあって、周囲には豪華な美術本が並びます。その気になれば寝そべって読むことも可能です。
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 ここまで読んで、「一体どうしてこんなに素晴らしい図書館ができたの? よほど豊かな町なんだろうか」と思った。梼原(ゆすはら)町は自然エネルギーでも有名な所。そしたら、次のように書かれていた。何と町民が大きく関わっていたと。これも理想の図書館づくりだ。
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 コンセプトを決めたのは町民でした。子どもも含めて町の人からアイデアを募り、「森の中の図書館」「ワクワクする図書館」を目指したのです。
 2018年5月26日オープンし、総工費は12億9千万円です。当時の町の年間予算は61億8千万円でした。年間予算の5分の1を図書館に割いたのです。「どうせ作るのなら本当にいいものにしよう」「どこにでもあるのなら作らないほうがいい」という発想でした。以前から文化に力を入れていたのではありません。前はワンルームの図書室のみで、読書文化がなかったと言います。
 館内には障がい者が作ったケーキやクッキーを出すカフェもあります。子育て相談室も。町全体で0歳から18歳まで、子どもを大事に育てる方針です。妊娠中のお母さんのケアをするため、保育士が普段から詰めています。
 人口3000人余りの小さな町でも、これだけのことができるのです。他の町にないのは、こうしたものを作ろうとしない、最初からあきらめているからです。
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 見学記録を楽しんで読んだ。書かれていた最後の言葉。「この町にあって、他の町にないのは、こうしたものを作ろうとしない、最初からあきらめているからです。」この言葉が胸を刺してくる。
「どうせできないのだから」「お金がないからできないわ」と最初からあきらめてはいけないとつくづくと思い、勇気を貰った図書館報告だった。大津市もこうありたい。
(図書館を考える大津市民の会・会員)
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